(上)出典:Wikimedia Commons(撮影:Mostafa Tehrani / CC BY 4.0)現在、イランの最高指導者(イランの国家元首)に就任しているモジタバ・ハメネイ氏の過去の画像
主に中東情勢を発信するテレグラムチャンネル『Middle East Spectator』の日本時間10月2日(金)の投稿によると、あるイラン国内の政権支持集会の主催者は、2夜前に開催された集会に、イランの最高指導者、モジタバ・ハメネイ氏が姿を現し、約30分間滞在して様子を見守った後、その場を立ち去ったと発表した。
続けて、同氏の健康状態は良好で、セキュリティ上の観点から、特定のイベントには人目を避けて出席しているとも述べた。
出典:Middle East Spectator(該当投稿リンク:https://t.me/Middle_East_Spectator/37258)
※Middle East Spectatorは明らかに親イラン的な思想を持つアカウントだが、投稿される情報のファクト性については高い水準で維持することを心掛けており(今回もあくまで、「ある集会の主催者がこう言っている」としか言っておらず、これは事実の範囲内であると判断できる)私は基本的には信頼できる情報源の一つと判断している。
モジタバ氏の状況は完全にブラックボックスに包まれており、今回も例外ではなく、真偽を判断することはできないだろう
※以降は筆者の分析になるため、今から語られる内容が、決して現在の状況を正確に読み当てているわけではないこと、根拠となる情報が正確でない可能性があることに留意が必要だ。あくまで一人の意見として聞いてほしい。
モジタバ氏はイラン戦争開始以降、最高指導者に就任してからも公的の場には姿を一度も現しておらず、これにより、これまでに様々な情報が飛び交っている。
これまでのモジタバ氏の近況に関する情報は、「軽度の負傷から復帰し、現在は職務を通常通り遂行している。公的な場に姿を現していないのは安全保障上の観点からである(イラン政府筋の主張)」、「死亡していないが、重傷であり、現在も職務に支障をきたしている(アメリカ政府筋)」その他にも、「モスクワの病院に搬送された説」や「死亡説」など、様々な主張が登場した。これらの主張を組み合わせてみると明らかに話の整合性は取れず、特定の勢力によるプロパガンダ、または意図しない誤った情報もしくはその両方が混在していると考えることができる。
そして、今回のモジタバ氏が政権支持集会に姿を現したとする集会主催者発表だが、仮に事実だとすれば、イラン政府筋の主張がほぼ裏打ちされることになるが、懐疑的に見れば、単に集会の運営側が参加者を盛り上げるために虚偽のサプライズ的な発表をしたとも考えられる。
私から確実に言えることは、モジタバ氏の近況に関する客観的な情報、例えば生成AIの関与や、人間の手による改ざん、これらがされていないと確認された視覚的証拠などが登場しない限り、今回の集会主催者の主張も、これまでのモジタバ氏に関する不明瞭な情報シリーズの新たな一つと捉えるのが妥当であろう。

